ヘイトフルエイトの感想・ラスト・解説|あゝカタルシス的な展開

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ヘイトフルエイトをみました!

はじめ見始めた頃はどうなるんだ!?とドキドキしまくりで、

ラストの展開は思わず金玉ヒュンッ!っとなるような内容でした。

※本当にいろんな意味で

がっつりヘイトフルエイトのネタバレ記事となっているので、まだ見ていない人は見ないように。

ヘイトフルエイトの大まかなあらすじ、流れ

ハンターが賞金首を捕まえて、途中の小屋で休む

すると、どうやらいつもとは様子が違う

違和感に感じる一人、マーキス(サミュエル・L・ジャクソン)は周りを疑っていく

いつもいるはずの、ミニー(店主かな?)がいないことがきっかけで、

店内の様々な異変に気付いていく…

無事に賞金首をレッドロックへ連れていくことができるのか!

という物語です

ヘイトフルエイトの結末、ラストの展開

ヘイトフルエイトのラストは金玉ぶち抜かれたマーキスと、

弾丸で腹部?足を撃ち抜かれた、悪名高き「マニックス略奪団」の団長の末子クリス・マニックス

が生き残りました。(劇中の後に死んだかもですが、出血すごーいから)

ジョン・ルースが連れてきた、1万ドルの賞金首デイジー・ドメルグはクリスマニックスに交渉をもちかけます

「お前がニガー(差別用語だからね言っちゃだめだよ)を殺せば生きて帰れるぞ」

とな

ドメルグは弟が死んだために、ボスなので、いつまでたっても一味が戻ってこない場合はレッドロックの町をぶち壊して、小屋に私たちを助けにくるという。

その際に、私を殺していれば間違いなくお前らも生きて山を抜けることができないために、私を手を組んだ方がいい、的な感じです。

が、しかし、マニックスはそれを断ります。

その理由が面白い

「お前、俺が珈琲飲むとき止めるときに助けんかったやん!」

っていうwww

コーヒーには毒がもってあって、ジョンルースとO.B.ジャクソンは死んでしまったのですが、

その時にマニックスも飲もうとしていて、死にかけのときにジョンルースが

「珈琲を飲むな」

的なことをいって死んでいったので、助かったのです。

明らかにコーヒーに毒が入っているのを知っていたのにも関わらず、一言も声をかけなかったドメルグに

お前を助ける義理ないよね、ってなわけ

そもそも、マーキスはドメルグ弟であるジョディに金玉を撃ち抜かれているので大量出血で「ああ、ワイここで死ぬわwww」てな感じですし、

マニックスはマニックスで、撃ち抜かれて出血がひどくて立っているのもやっとな感じで、助かるかわからんし、わずかな希望にすがるより

お前むかつくから、お前が死ねばいいんじゃん

と考えるのも無理はない。w

そして、結局ドメルグは撃ち抜かれて動けなくなるわけですが、ここで1つ提案がでます

「普通に殺すよりも、ジョンルースの意思を汲もうじゃないか」

撃てば簡単に殺すことはできますが、それじゃあ面白くないから、ロープで首をつってそれを見て楽しもうという算段です

劇中の途中でね、執行人は中間にいなければいけないから

「私利私欲のために人を殺めてはいけない、満足を少しもしてはならない」

というようなことを話しているのですが、がっつり殺して満足をする二人。w

そして、リンカーンの手紙をよんで、笑って終わります

そもそも、リンカーンの手紙は本当に嘘だったのか、も不明、たぶん嘘なのかな??

ヘイトフルエイトの感想

うん、おもしろかった!

最初のほうは誰が犯人なのかな?と頭を使いながら見れたし、途中からはすぷらったったったった

って感じで人が簡単に死んでいくのでもうそういう映画に見えた

グロはあまりリアルなわけじゃないし、血がでるけど、リアリティがすごくあるわけではないと思ったので

(リアリティというかドアップがない)

血が苦手なんですよね、って人でも見れるとおもいました

それにしても、白人の人種差別はひどいね~

全員ではないにせよ、KKKとかね、黒人=○○というイメージにバイアスがかかりすぎな気はするけれど…

アリストテレスも奴隷は奴隷として生まれたのだから当たり前である、みたいな論説があるとおり

当時は当たり前だったことに、大衆はWHY??とは思わないのだろうね、弱者は思うけれど

なので、馬鹿にしているほうが死ぬのはカタルシス!!(心の解放)って感じでしたし、

もっとやれーってな感じでした。

サスペンスよりなのかな?と思ったけど、違った意味で途中からは爽快な映画でしたわ

一見の価値はあると思うけど、友達にはすすめないかな!はは

追記:ちなみに、他の映画レビューサイトに書いてあることがおもしろかった

9人の主要登場人物で、8人の悪党(ヘイトフルエイト)?数が合わない。
じゃあ残りの1人は何?最後まで観て、その理由を理解した。(私見)

ウエスタン黄金時代から駅馬車ネタは、古き良き(?)米国の縮図だ。
今作も予定外に拾った珍客2人と啀み合い喧嘩しながらも、刹那の共感や共闘を繰り返す。山間の小屋に集まるのは、南北戦争の仇同士、更には異なる人種同士、目的が相対する者同士、諍いのタネは尽きない。遅れて到着した駅馬車組は、特に生きる為にスレて汚れたワル揃い。しかし玉石混交の彼らも、真の悪党だけは許さないのが共通項。さあ、根っから腐った悪党(倒すべき真の悪党)は誰だ!?

これは断じて密室ミステリーでは無い。
しかし全員悪人に見えるキャラの中で、一番悪いヤツと一番善いヤツを発見しようと意図して観るなら、立派なミステリーだ。
彼らの言葉使いや短絡的な所作・行儀に眼を奪われることなく、真の善人(?)と真の悪党を見抜け。そうすることで「ヘイトフルエイト」の謎が解ける。

真の悪党は、議論の余地が無い。怪演でアカデミー賞の呼び声まで高かった人物。
具体的な過去の犯行などが全く語られないにも関わらず、滲み出る下賤な悪党臭の凄さ。
神聖な(?)リンカーンからの手紙に平気で唾する神経。毒入りコーヒーを知らずに持ち歩く者たちを、期待と喜悦を滲ませた表情で眺める品性のおぞましさ。自分が助かる為には平然と仲間・死体を売る節操のなさ。(彼女には尊ぶべき存在もルールも何も無い。人情や義理ですら何の拘束力を持たない、兎に角ひたすら「悪!」という、空恐ろしい存在だ。最近、悪人にも事情があるだの、哀しい過去や止むに止まれぬ事情があった・・・など、ヤワな設定な映画が多い中、ここまで憎らしい悪党を創りあげたタランティーノは流石!観ていてむしろ、清々しかった。笑)

さあ、では善人は?
間違いなく、断トツで、カート・ラッセル演じるジョン・ルースだっ!!
あんなガラの悪い暴力主義者が!?と思われるかも知れない。
しかし思い出して貰いたい。あの理不尽な体罰・暴力は、犯人以外には一切ふるわれてない。(実際この囚人は、暴力で捻じ伏せる以外に手はない。あれがたった一つの正しい処し方なのだ。)
殺して運べば楽なのに、頑なに己の掟(法)を守って、危険を冒して賞金首を移送する頑固さ。カッコよさ。そして残1個のジャーキーをあっさり囚人にくれてやる鷹揚さ。
誰にでも横柄な態度で振舞うが故の人種差別の無さ!(笑)
マイケル・マドセンとの会話も笑える。
「お前はクリスマスを母親と過ごす様な男じゃねえ」
「いや、俺はクリスマスを母親と過ごす様な男なんだよ」(どこがっ!?爆笑)
これ以外もカート・ラッセルの台詞は、ほとんど正鵠を得ている。
粗暴で知性には程遠い、半ば狂っていると思われたジョン・ルースが、野生的な勘で誰よりも本質・真実を洞察している!という可笑しさ。
そのくせ嘘つかれて騙されたら、(本来ふてぶてしい相手ですら自ら罪悪感を覚えるほど)哀しいショックを受けた表情を見せる。可愛い過ぎる!(笑)
また、女にも情け容赦無い乱暴な男にも関わらず、自らが死に至る瞬間まで他人を助ける為に警告を発する素晴らしさ!
その無骨な男らしさと愛らしさ(笑)で、死後も良い影響をみんなに及ぼす!
公平さなど持ち合わせなかった偏狭保安官と、白人に対する復讐者である賞金稼ぎ。南軍と北軍、白人と黒人、真逆の2人を融和させたのは間違いなくジョン・ルースだった。
その存在感と魅力に、完全ノック・アウトされた。カート・ラッセルの役は美味しすぎる!
タランティーノが今作で最も力を入れたキャラは、間違いなく彼だろう。
(みんな今作はサミュエル・L・ジャクソンがメインと勘違いするかも知れないが、彼は実は頭の良い解説者で、狂言回し役だ。アメリカの黒人代表で、復讐者ではあるが、善い人間ではない。勿論、彼が言う程の事を将軍の息子にしたとは考え難いが・・・銃を抜かせる為のホラ話の可能性が高いのでは?)

さて「ヘイトフルエイト」における9人目の謎、そのタネ明かし。
女囚人を殴りまくる最悪の登場だった、ジョン・ルース。
彼は実はヘイトフルな悪党ではなく、真の善人なので人数に数えられていないのだ!
あくまで私見ですが・・・(笑)

総じて大満足。タランティーノ作品で、映画館でもう一度観たいと思ったのは「パルプ・フィクション」以来だった。オススメ。
ただし密室ミステリーではなく、キャラクターとシチュエーションを楽しむ映画として、ある男の魅力を味わう映画として観ること!
(DVD自宅鑑賞だと、携帯いじりや諸用etc、かえって3時間も集中できない時代なので、むしろコレこそ映画館で観るべき長編だ。)

引用:https://movies.yahoo.co.jp/movie/354960/review/464/

たしかに、ジョン・ルースは自分の誇りを守り通した。ぶれずに自分の正義を貫きとおしたのに対して、ドメルグは最悪だった。人が死ぬのをニヤニヤして見ているし、仲間の死体は簡単に売るし、こういった人間に同情する余地はないし、裏切られるかもしれないから、結局暴力で解決させるしかなくなってしまう。

最後の最後に、マニックスが裏切らなかったのも、こんなやつの言うことをきいても保証も糞もないな、って思ってしまったからだと思う。

敵でもあっぱれと思うような生き方を極限状態でできるかどうかはわからないけれど、自分なりの正義を持つ者が助かる可能性は高いんだな、と思った

おしまし!

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